《オーディション、合格したよ》



その言葉が、エコーみたいにあたしの中で響いて。



ついでに目から大量の涙が溢れ出していて。



おめでとうっていう前に、わんわん泣いて。


結局、

《泣くなよー。俺だって泣くの我慢したんだぞ。蘭だけずるい》


と言われて、必死に涙を止めた。



「じゃあ…っ次会えたとき!

次会えたとき、一緒に泣こっ!」

《はははっ。何だよそれ…》

「えー…だめ?わりと本気で言ったのに」



湊くんも嬉し泣きしたいなら、我慢しないでさ。


泣けばいいのに。



明日、湊くん学校に来るのかな。

ちゃんと湊くんに直接おめでとうって、言ってあげたい。



「明日……学校来る?」



…….やっと、聞けた。