テンポの良かった言葉のキャッチボールはそこで中断してしまった。 代わりに、理人の喉仏だけが上下する。 明らかに動揺してる。 サラリと言った言葉は、やっぱりサラリと聞き流せるようなものじゃなかったみたい。 「……ごめん」 言葉さえ止めてしまう禁忌のセリフは、理人にもショックを与えたに違いない。 「……軽蔑…したよね?」 軽蔑したって言われるのが怖くて、それを肯定して問いかけた。 理人は一拍置いてから、もたれかかるように頭をコツンと壁につけた。 「……しねえよ」