次第に、腕を掴む力が緩んでいくのを感じた。 「なに……言ってんだよ……兄妹だろ……」 戸惑うように落とされる声。 腕に込めた力が今の精いっぱいだと象徴するような弱々しい声を口にした翔平は、とうとうその腕を離した。 だらん…と、下ろされるあたしの腕。 ――それは拒絶。 はっきり感じてしまった、翔平の戸惑い、困惑、 ……そして、軽蔑。 そう。 それが普通の反応だから仕方ないの。 仕方ないけど、 今のあたしには耐えられそうにない――