「あっ、もしかしてキミ?翔平と三つ子のもう一人って」
「えっ………う、うん」
わざわざ水沢くんなんて呼び方をしたのにバレちゃったみたい。
……ただのファンだと思われた方が良かったのに。
「へー、そうなんだ」
途端に彼は面白いものでも見つけたように目を輝かせた。
「……」
思わず、俯いてしまう。
今日は何を言われるのかと思って。
けれど彼はあたし達のことには何も触れず、
「まだ付き合ってないけど、いずれそうなるんじゃない?」
「…いずれ?」
「翔平がまだ返事してないから。けど、断る理由もないっしょ」
妹だと知ったからか、警戒せずに情報を漏洩してくれた。