「美桜~お箸持ったまま何やってるの?早く並べて~?」 ハッと我にかえると理人の姿はなく、画面もバラエティー番組に切り替わっていた。 キッチンからはお母さんが菜箸を手に、早く早くと急かしている。 「お父さんっ!つまみ食いは許しませんよ!」 そして、お鍋の中の煮物をつまみ食いしたお父さんのお尻をはたいた。 「いいだろ~」 子供のように叱られたお父さんは、お母さんの頬にチュッとして逃げていく。 「まあっ…!」