いつだったか、実親について口にした時、そんなあたしにすら嫌悪感を剥き出しにした。


それ以来、そのことには触れないでいる。


翔平はきっと実親を恨んでる。



……それは当然の感情だよね…


……あたしだって……。



「あ、理人……」


入れ替わるように理人が入って来る。


どうしてか、少しだけ境遇の違う理人を見ると、すごく悪いことをしているような気分になり慌ててリモコンを手に取った。


「またこんなの見て」


案の定、理人はいい顔をしない。


あたしからリモコンを素早く奪い、キッチンの方を気にしながら音量を少し下げた。