――今夜は、こっちに泊ることにした。
明るく家に帰るには、もう少し時間が欲しくて……。
家には明日帰ると連絡を入れ、夕食をとってから駅近くのビジネスホテルに向かう。
土曜だというのにビジネスマンの出入りの多いロビー。
あたしたちは、フロントで宿泊手続きをする。
「シングル2部屋お願いしま――」
「――ツイン1部屋でお願いします」
「………美桜?」
口を挟んだあたしを、翔平は驚いた様に見る。
あたしは翔平の服の袖を握りしめながら、ジッと見つめ返した。
何もおかしな意味はなかった。
ただ、一人でいたくなかっただけ。
淋しい夜を過ごしたくなかっただけ。
だって、あたし達は兄妹でしょ――
「――……ツイン1部屋でお願いします…」



