ギュッ…… 握り返してくれた手の強さが、"それでいい"と言ってくれてる気がした。 ここまで来たくせに、拒んだあたしの幼さを、翔平は許してくれた―… ……もう、ここに居る理由もない。 「失礼……します」 そう言ってこの場を後にしようとすると、 「あなたのことっ……」 胸に手を当てながら、彼女は苦しそうに言葉を振り絞った。 「毎日毎日想ってた……」 「……」 今更そんな、綺麗ごとみたいな… 「あなたの顔も……名前も……。あなたを離した日から、一日も忘れたことがなかったっ…」