恋結び ~キミのいる世界に生まれて~


その瞬間。


いつの間に生まれていたのか、涙がこぼれた。


…悲しいわけじゃない。


…傷ついてるわけでもない。


テレビで見たような、感動の対面を想像してたわけじゃない。


でも、あまりにも違いすぎて体が動揺してるだけ。


そう言い聞かせながら、遠ざける足を速めた。


――早くここから去りたい……





タッタッタッタッ……



――すると背後から、サンダルの激しい音が迫ってきた。


「まさか……」


そう言って、くるりとあたしの前に回り込んだのはさっきの女性。


あたしの両肩を抑え込み、断りもなしに顔を覗き込んだ。