記憶力が良い悪いの話から、頭が良い悪いに飛躍したみたいでなんだか釈然としない。 確かに完全に否定できないからそれ以上言い返せない。 勉強を苦とも思わず、それに比例するように秀才な翔平。 大して勉強しなくても、そつなくいい点を取ってしまう理人。 テスト前に必死で徹夜して、なんとかその場をしのぐあたし。 「じゃあ、翔平が昔付き合ってた女の子の名前は?」 「………」 「……忘れちゃった?確か、ミナ…」 「るせぇっ…」 触れてほしくなかったのか、翔平は不機嫌そうに背を向けた。