お父さんは無言で、散らばった床の上で何かを探していた。


やがて冊子を見つけ出すと、メモ紙に何かを走り書きする。


「それっきり、彼女はここへは来なかったよ。

……ただ、これを書き残して……」


お父さんからメモを渡される。


住所と電話番号が書かれていた。


「これは……」


今の冊子は、何気なく電話の横に掛けられていた電話帳。


「彼女の……住所だ」


「……っ…」


倉庫なんかじゃなくて。


こんな身近に、産みの親の手がかりはあったんだ。


何年も前から……