「…行か……ないよ」 ……目が覚めた。 あたしだって、よく覚えてる。 こんな言い争いをした後に、理人がどうなったか……。 「はぁっ……」 お母さんはあたしを抱き締めたまま、力が抜けたように床に膝をつく。 もう抵抗することなく、あたしは大人しくお母さんに抱き締められたままでいた。 ――カタッ… 散乱した部屋の中はそのままに。 ダイニングテーブルに着いたお父さんを筆頭に、翔平が同じくダイニングテーブル、理人がソファに腰を下ろした。