「――ダメよっ、ダメッ……!!」 あたしはただ、部屋へあがろうとしただけなのに。 「絶対に、行かせないっ――」 お母さんは、決してあたしを離そうとはしなかった。 「……っ」 狂ったように叫ぶお母さんの頭の中には。 ……過ったのかもしれない。 あの最悪な夜が。 ……あの夜が、巻き戻されないように―…