「…どうして、それを…」 乾ききったような口元をなんとか開く翔平。 「あたし、昨日病院で全部聞いたんだから」 「「………!!」」 翔平だけじゃなく、理人が息をのむ気配も伝わる。 その証拠に、あたしを抑える理人の手が油断した。 「翔平…まさか……」 滲んだ目に、蒼白したお父さんが映った。 ……そうだよ。 なにも知らない顔して笑ってた翔平は、お父さんの隠した秘密をとっくの昔に見つけてるんだよ……? 手がかりはないって騙してるつもりが… ……逆に騙されてるんだよ……? これが、家族……?