「翔平が本気で美桜を手放すなら――」 やだ。 どうしてこんなに胸がざわつくの。 嫌な予感がしてたまらない。 そしてすぐに、それは現実のものとなる。 「――今度は、譲らない」 ――今度は…… それは あたしや翔平を応援してくれていたのは 生い立ちの格差で遠慮していたことを裏付け… あたしへの想いが、 はっきりした瞬間。 「…――好きにしろ」 面会時間の終わった冷たい廊下。 翔平の声が、悲しく響いた――…