「やっと……美桜とは前みたいに戻れたんだ。
だから理人も……余計なこと言わないでくれ」
体の中に、冷たいものがスッと通り抜けた気がした。
あたしをよく知り過ぎた翔平は、最初からすべてを計算して自分から遠ざけた。
理人のためだと言って選んだ別れも
彩乃ちゃんとつき合い始めたのも、そういうこと……?
どうしてそこまで自分を追い詰めるの――…
「そうか……」
どんな表情で言ってるか分からない理人の一言に、あたしは胸騒ぎを覚えた。
だって、翔平の意志を受け止めてしまったように聞こえたから。
そして、理人自身もなにかを決意した様に……。



