理人はジッとあたしを見つめる。


「心配…かけて…ごめん」


「いいの。目を開けてくれただけで…」


「美桜……悪かったよ……」


「だから謝らないでって…」


「………キス…したりして」


「……」


それも、覚えてたんだ……。


記憶のひとつも歪んでなかったことがただ嬉しかった。


理人がちゃんと戻ってきた証拠だから。