「今日ね、正式に男バスのマネージャーの届けを出してきたの」 「そう」 視線を向けているせいか、会話の内容が正確に耳にまで届いてくる。 「わからないことだらけだから、色々教えてくれると嬉しいなっ」 「俺も新入部員だし」 そう答えた翔平は、決してイジワルなんじゃなくて女心が読めないだけ。 悪気はないのに、女の子を傷つけてることが多々あるとあたしは思ってる。 …本当に罪な男。 「あっ…バスケがって意味ね」 上げ足を取られたと思ったのか、彩乃ちゃんはプゥーっと可愛らしく頬を膨らませた。