「えっ…」 お母さんが顔をあげる。 「可能性が0%にならない限り、あたしは理人の生きる力を信じたい」 あたし達家族が諦めたら、そこで本当に終わりになっちゃう。 なにもできないあたし達だから、せめて信じ続けたい。 「理人の顔、見たでしょ?」 「……うっ…うっ…」 「すごく綺麗になってる。それが生きたいっていう、今は喋れない理人の主張だと思わない?」 あたしは……そう思ってる。 「…っ…そう……ねっ……」 お母さんは、あたしの胸に顔を付けて泣きじゃくった。