「夢を見てたわ……」 お母さんの口元が、久しぶりに緩んだ。 「夢……?」 「理人がここでコーヒーを飲んでるの……」 お母さんが座っていたのは、理人の席。 愛おしそうに、その机をそっと撫でる。 「へぇー、いいなぁ」 夢の中でも動く理人に会えるなんて羨ましい。 「……早く楽になりたいって言ってたわ……」 「えっ……」 「そうよね……ずっとこのままじゃいけないわよね……」 何かを確信したように言うお母さんは、真顔に戻っていた。