「待って」 キッチンへ立とうとしたお母さんを止めた。 「今日はデリバリーでいいんじゃない?」 お父さんは仕事関係の集まりがあるとかで今夜はいないし。 ……ここで、あたしが作るよって言えないのが情けないけど。 理人が事故にあってから、たまにこんな日がある。 何もしたくなくなる気持ちも分かるから。 「お蕎麦でいい?」 「そうね。お願い」 翔平ももうすぐ帰ってくるだろうし、3人前のお蕎麦を近所のお蕎麦屋さんに注文した。