そのまま夏休みに入り――…


未だ理人の容態に明るい兆しが見えてこない状況で、夏の予定なんて一つもなかった。



あたしには補習課題が沢山出ていた。


翔平は部活で、日中はほとんど家に居ない。


それがあたしにとっては、都合が良かったんだ。


翔平がいない分、集中して勉強が出来たから。


お母さんは昼間は病院へ行ってしまうし、もし翔平と家で2人きりだったら息が詰まって勉強どころじゃなかったと思う―…