……ああ、ダメだ。 ぜんっぜんわかんない。 あたしは自分の部屋で頭を抱えていた。 もうすぐ夏休み前の期末テストが始まる。 さっきから教科書や参考書をパラパラめくってはいるんだけど…… 学校を休んだり気持ちが不安定だったりしたせいで、授業には随分遅れを取っていた。 でも、テストは否応なしにやってくる。 「あー、やっぱダメッ…」 何度教科書を眺めても、分からないものは分からない。 一回頭をリセットさせようと、教科書をパタンと閉じた。