学校のノートだって、理人の為に一生懸命取ってるのを知ってる。
本当ならあたしの役目だけど、敢えて身を引いて莉子に任せている。
「まー、全部本の受け売りだけどね」
そう言って、白い歯を見せて笑った。
事故当日以来、莉子の涙は見てない。
ねぇ……どうしてそんなに強くいられるの……?
理人が苦しんでいた数週間、理人の支えは間違いなく莉子だった。
体を重ねあうという、決して他人に自慢できる方法じゃなかったとしても。
安らぎと温もりを一瞬でも感じて。
その時の理人には、それが救いになっていたはずだから。
「……ありがとう……ね」



