「ふふっ…バカみたいでしょ」
頬が緩んだのが気配で分かり、あたしは顔をあげた。
とても優しく穏やかな表情。
"ううん"
そう言ってあげたいのに、うまく言葉が出てこない。
「あの夜ね…突然理人がやってきたの。せっかくだから、美桜と翔平を2人きりにしてやりたいんだ…って」
「……うん」
やっと、相槌が打てた。
「おばさんたちが沖縄に行ってるの知ってたし。まあ、理人だし?一晩くらい泊めてあげてもいいかなーって。
ソファでいいでしょって、軽くあしらってさ。この時は全然、あたし達の間にそんな気なんてなかったの」
じっと莉子の話に耳を傾ける。



