「帰って……たんだ」 「…ああ、たった今。父さんに一度帰るように言われた」 「……うん…お疲れ様。理人、どう?」 「まだ意識は戻らないけど、状態は安定してるからとりあえず心配すんな」 「……良かった…」 倉庫のことには触れず、理人を案じる会話だけを続けながら家の中へ戻る。 「コーヒーくれる?」 そう言う翔平の表情はかなり疲れ切っていた。 「うん、今用意するね」