「莉子、これ飲んで」 翔平から受け取ったカップを莉子に渡すと 「…あ、ありがとう。…っ!?」 コップの中身が波打った。 莉子は翔平の顔を見て明らかに動揺していた。 「そ、その顔どうしたの!?」 ……驚くのも無理ないよね。 あたしでこそもう見慣れた翔平の顔は、理人との殴り合いから丸一日近くたった今、ボクサーの様になっていたから。 生々しい傷痕に見かねた看護師さんが手当てを施してくれて、少しはマシになったけど……。