切実な願いだった。
「あたしと翔平には本当のことを言ったのに、どうして理人にだけ……」
一度で済む痛みなら、どんなにつらい現実でも一度で終わらせて欲しかった。
あの時に。
やっと…みんな乗り越えたのに。
あの時、あたしは羨ましいとさえ思った理人の両親だって、それは自分が捨てられたという悲惨な目に遭ったからそう思えただけで。
理人にとっては、毎日祈りを捧げていた伯父伯母が実親だったことはやはりショックだったはず。
理人は理人なりにその現実を受け止めて来たと思うのに。
それが、今になって一家心中という残酷な最後だったって知るなんて。
理人は2度も裏切られたんだよ?



