「これは理人さんの所持品になります」 看護師さんが、あたしに何かを差し出した。 「あ……」 それは血の付いた理人の衣服や携帯。 身元を調べるために衣服を隅々まで漁ったのか、ポケットの中の物まで。 その中には、きっとポケットに戻してあったんであろうあの新聞の切り抜きも含まれていた。 「これはあたしがっ…」 お母さんたちに見られる前に、それらを受け取った。 …これだけは隠さなきゃ……。 切抜きだけを密かに自分のバッグへ忍ばせ、他の物は紙袋に入れた。