あのまま家を飛び出した理人は、夜の国道をふらつきバイクと接触した―― 酔ってないように見えた理人の体には、実際大量のアルコールが摂取されていたわけで。 遅れて酔いが回った理人の足取りはおぼつかず、バイクの運転手もよけきれなかったのだという。 「理人っ!」 翔平が呼びかけても反応がない。 ただ、そこに横たわっているだけ。 「…理人っ…!やだっ…理人っ!目ぇあけてよっ…!」 まるで死んでしまったかのようにピクリとも動かない理人に、あたしは狂ったように叫ぶ。