翔平はあたしだけを見ていてくれたよね? 昼間の光景と、莉子を庇う翔平の言動も。 本当に何か特別な理由があって、幼なじみへの、翔平なりの優しさを掛けていただけだったかもしれないのに。 莉子の涙の理由だって臆測なんだから。 あたしは翔平を信じ切れなかった。 勢いに任せて翔平に気持ちをぶつけたりして、本当にバカだよ…… 膝を抱えて丸くなったあたしの目からは、静かに涙が零れ落ちた。 「…理人が……」