あのときの理人におかしな気持ちなんてなかったはず。 理性を失っていた理人の行動は事故みたいなもので、嫉妬になんて値しない。 それでも唇が重なったのは事実で、誤解されたくないからそう言ったのに、 「じゃあ……俺とのことも事故…?」 「……っ、」 ……本当に、そんな風に思う……? あんなに……愛し合ったのに…… 「俺は…… 出来ることなら…… 兄妹をやめたいよ……」 苦しそうに呟いた翔平の一言を最後に、この部屋は暫く沈黙に包まれた。