翔平と特別な関係のくせに、どうしてもそれは否定したくなかった。 あたし達から兄妹弟という言葉を取ってしまったら、本当に他人になっちゃう気がして。 この家族は壊したくない……。 翔平を好きになった時点でもう半分壊してるくせに、この関係を保ちたいと思うあたしは我儘なのかな……。 「……あれでも、まだ姉弟だっていうのかよ」 あの光景を打ち消すかのように、翔平はきつく目を瞑った。 震える声は、怒りを鎮めるように。 「あれは……事故だよ……」