……っ。 確かに。 あの時のあたしと理人は、姉弟の姿じゃなかった。 「……ごめん…」 翔平がそんな態度を取るのも無理ない。 理人を殴った理由だって分かる。 それでも…… さっき聞いたばかりの理人の事情を説明していいかもわからず、その手をゆっくり戻した。 痛々しい口元が苦しそうに開く。 「もっと警戒しろよ……」 まるで理人に嫉妬を覚えたように。 「俺達は……兄妹弟じゃねえんだぞ…」 強く、でも何かを秘めたような口調は、翔平の本音だったのかもしれないけど、 「……兄妹弟……だよ…」