圧し掛かった理人の体重を上半身だけで支えられるわけもなく。
気付けば、あたしの背はフローリングの床について。
蜘蛛の巣にとらえられた蝶のように両手を固定され、動くことを禁じた。
「……側に…居てくれるんだろ…?」
…理人……?
肩で息をしながらあたしを見下ろすその瞳が、ただ、怖かった。
目の前にいるのは、弟の理人じゃなくて。
まるで知らない人の様で……
今起きている現実に、あたしの頭は整理もつかないまま身動き一つ取れない。
理人の体が、ゆっくりと近づいて来る。
このままじゃ、ほんとに……
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