冷蔵庫のモーター音がうなり声のように鳴っている。 耳につく、うるさい重低音。 その音を頭の中に響かせながら言葉の意味を考えるには、時間が足りなかった。 視線を投げられたあたしは何も返すことが出来ないまま、先にその瞳を逸らさせてしまう。 心中の…… 生き残り…… 「何、言って……」 理人の実の両親は、不運な事故で亡くなったって聞かされている。 部屋の一角には写真も飾られてあって、命日には毎年お参りも欠かしてない。