あたしが帰宅して1時間後、何事もなかったような顔をして帰って来た翔平は、ずぶ濡れだった。
「すげえ大雨だな。マジ風邪ひきそう」
「……」
びしょびしょに濡れたその背中は、帰りに濡れたんじゃないのに。
溢れそうになる涙を必死で押し戻しながら、無言でタオルを差し出した。
「あー冷てぇ」
それでもやっぱり何事もなかったようにガシガシと頭を拭く翔平に、
あたしが気づかなかっただけで、今までもこんなことはざらにあったんだと思い知らされる。
帰りもそこまで莉子と一緒だったのかな。
学校では公認のカップルなんだから、堂々と一緒にだって帰れるもんね。



