声を掛けるのすら躊躇ってしまうほどの異様な雰囲気は、あたしの足を前へ進ませない。 数メートル置いた距離で、あたしはただそれを見ているしか出来なかった。 そのうち、そんな翔平から逃げるように莉子が踵を返したかと思ったら 「あっ……」 翔平も後を追うように消えて……。 裏庭に回った2人。 思わずそれを追ってしまったあたしの足。 「………え、」 次に2人の姿を目にしたときは、翔平は莉子の腕を掴んでいた。