莉子が拭った跡から流れ落ちるしずく。 その上には新たな雨粒が叩きつけられて、何事もなかったように周りと同化した。 ……あたしの気持ちも。 そうやって何事もなかったように消え去ればいいのに…… 「……っ」 頭痛がして、あたしは頭に手をあてた。 最近よく頭痛がするんだ。 相変わらずな理人に、翔平と莉子の噂…… 色々なことで頭を悩ませるあたしは、もう何日も寝不足だった。