「あのさ、これ…」 翔平が手にしていたのは、小さな鉢植え。 ピンクと黄色い花の寄せ植えで、真ん中には可愛らしいクマのガーデンピックが刺さっている。 「え?」 「誕生日プレゼント」 照れくさそうに言い、それをあたしに差し出した。 「わざわざ買って来てくれたの?」 「こんなもんしか用意できなくてわりぃけど」 「えぇっ!すっごい嬉しい!翔平、ありがとう」 今日中に用意しようとしてくれたその気持ちが嬉しくて。 大切に受け取って、その鉢植えを隅々まで眺めた。