一目見て機嫌が悪いと分かる理人。 質問に答えるどころかあたしの顔も見ずに横を素通りして階段を上っていく。 「待ってよ」 追いかけるように後ろから声を掛ける。 こんな風に無視されるのなんて初めてで、変な胸騒ぎが襲う。 「……ご飯は?」 「……食ってきた」 恐る恐る声を掛けると、ぶっきら棒に一言だけ。 それでも返事が返ってきたことに少し安心する。 「…じゃあ……お風呂は…?」 「……いい」 ――バタン。 そこで部屋の前についてしまい、あたしと理人の会話は強制的に終了した。