「もうっ…いつも一人で抱え込まないでよっ……」 完全に涙声の莉子は、あたしをきつく抱き締めた。 「……莉子っ……」 ふっ、と過ったのは昔のこと。 あたしが自分の殻に閉じこもってしまったとき。 まだ小学生だったのに、莉子はとっても大人で今みたいにこうやってあたしを包み込んでくれた。 『美桜は美桜だよ。何も変わらないよ』 って。 その言葉に、どれだけあたしが救われたか……