ようやく落ち着いた莉子があたしの前に戻ってくる。


穏やかにあたしを見つめる黒い瞳に、今までの重圧が少しだけ解き放たれていくような気がした。


「……ほんとに?おかしいって…思わない…?」


「思うわけないじゃない!」


力強い声。


ものすごく頼りになって、いつだってあたしの味方でいてくれた莉子。


「……っ…親友……やめないでいてくれる?」


心配してたのは、打ち明けて、莉子があたしから離れて行ってしまうこと……。


「バカッ!どうして親友やめなきゃいけないのよ。

……気づいてあげられなかったあたしの方が親友失格なのに……」


そう言う莉子の鼻と目は、見る見るうちに真っ赤になっていく。