「なんとなく、ね」 翔平は、何とも思ってないのかな。 今日だけは、あたしはこの場所を無視出来なかった。 だって、この場所だから。 「先、中に入ってるな」 「うん」 16年前の今日、あたしと翔平が捨てられていたのは――……