それでも現実は厳しくて。


翔平とは目も合わせることができず、姿を見れば逃げ続けるあたしがいた。


それはもうあからさまに。


顔を合わせられないというより、翔平の瞳の中にあたしが映るのが耐えられなかった。


"そんな目"で見ていたのかと思われるのが耐えられなかったんだ。


避ける理由がはっきりしてるだけあって、翔平もそれを当然のようにかわしていた。



だけど3日も経つと、いよいよお母さんも口を挟んできた。


お通夜みたいな朝の食卓に、お母さんが呆れて言う。


「随分と長い喧嘩ね」


「………」