「……加古川先輩!?」 さっきまで裕貴先輩と一緒にグランドで練習していたはずの加古川先輩がそこにいた。 「え、なんで、」 「さっきまでグランドの所にいたろ? 途中でいなくなったから教室に行ったかなー? って思って」 首からさげたタオルで汗を拭いながら、加古川先輩が教室に入ってくる。 「あの……?」 「来月の花火大会のお誘いに伺いました」 「……は?」 なんてタイムリーなんだ。 まさか、またママが……? 「誰かと約束してる?」 「……いえ」 「じゃあ、一緒に行かね?」