――あたしも、パパも、虎太郎も、答えを出せないまま時間だけが過ぎていく。



ただ、ママの実の妹でもある静子おばさんだけが答えを出した。



“絶対に宣告したらダメよ。末期だと分かった途端に弱ってきたと思わない?”



その言葉に、あたしたち家族は、言われてみれば、と納得した。



入院する直前まで、(演技だったとはいえ)ママはまだ元気だった頃と変わりない様子だった。



それなのに。


末期を宣告されてから、急速に弱々しくなってきたように思える。



些細な動き、話すスピード……。

どれを取っても、あの頃のママの姿は……




――もう、どこにもなかった。