「これを受け取って」
真っ暗闇の中で小さく丸まり両腕で頭を抑えている大梯は聞き覚えのある声に恐る恐る顔を上げた。
「......富多...富多子ちゃんは...」
「さあ」
暗闇に慣れない目でようやく確認できるものは、自分のうちの玄関だ。
そして、靴がきちんと揃えて並べて置いてある玄関の狭い空間に大梯は縮こまるように身を丸くしていた。
「ちょっと待って。確か、確か駅にいたはずなんだけど」
「その時が来たら会いにくると言ったでしょう」
「...待って...」
真っ白い経帷子を着たあざみは全身が黒く変色しているため、その白さが目立つ。
その手には内容物の重みで下に長く伸びている胃袋。

