紫陽花は富多子のぽっかりと開いた腹に入り込み、まさぐる。
ゴボッと音を立てて富多子の口から大量の血液が吹き出した。
四方に飛んだ血液に群がり始める黒い亡霊たちは、線路や枕木の間にこぼれた血液を食らう。
紫陽花の葉は容赦なく富多子を締め上げ、足の先、指の先は既に真っ白で冷たくなり血液が通っていない。
鼻、目から血液が筋となって流れだし、腹に入り込む葉の動きに合わせて富多子の体は跳ね上がり、その度に口からこぽこぽと新しい血液が吹き上がる。
自分の血液を自分で飲み込めば鉄の味がして、気がおかしくなるくらいに欲する自分に恐怖を覚える。
「ほら、欲しいんでしょう?」
胃袋を持ったまま、スローモーションのようにゆっくりと膝をつき富多子の顔の横に座る。
「ここに来たかったんでしょう?」
富多子はあざみが持っている自分の胃袋から目が放せない。
動けない体を無理に動かせば身体中から血が吹き出す。
「ダメ。動いちゃダメ」
にこやかに笑うあざみは透き通るように白い顔にピンク色の頬。
しかし、彼女の片腕は腐り落ちたまま、無い。

