段田は起立するや、ふむ、と思案顔になる。


「妖でも命は惜しいという事さ。

覚えておきたまえ。

……そこで聞き耳を立てている子供侍よ」





「誰が子供だーっ!」





 数える間もなく、角を生やした菊之助が帳をはね上げて侵入してきた。